キレない子ども部屋
「キレない子ども部屋」
「キレない子ども部屋」は、「はい、これです!」っていうものはありません。皆様が住んでおられる家の中の「子ども部屋」をキレる子どもに育てない環境にしようと考えたものです。セミナーでは、下記のような内容を2人の専門家(建築家と元小学校教師)とともに3人で、画像や、実物のインテリアサンプルを見ていただきながらお話しております。
まずは間取りです。
決して、お金をかけて改築をして子ども部屋の都合のいいように間取りを変えてしまおうというわけではありません。「家の中のどの位置に子ども部屋を設定すればいいか?」です。
一般的なマンションではほとんどの場合、玄関ドアを入ると1部屋個室があって、その奥にリビングのドアがあって、LDKと個室があるという間取りです。LDKの横にはだいたい和室があります。和室でも洋室でもいいのですが、幼い間はこのリビングに隣接している部分を「子ども部屋」にすることをおすすめします。「部屋」というより「コーナー」ですね。リビングにいる母親と出来るだけ接する時間を多くしたいからです。
ちらかっているとイライラの原因になりますので、お片づけの習慣ができるように、小さな棚やバスケットなどで収納スペースを作ればいいでしょう。可愛いカーテンを天井から1枚でも吊るしてあげると小さな「基地」、「お城」になります。壁にコルクボードなど自由に好きな物を飾れる工夫をしてあげてください。
また個室をつくるなら、玄関を入ってから、リビングとか母親が居る部屋を通って「子ども部屋」に入れるようにしましょう。というのは、キレる原因の深いところにある「放任と過干渉」が防げると考えるからです。
子どもが帰っていたのを知らないと、泣き顔で帰ってきたのか、嬉しそうに帰ってきたのか分かりません。また、わざわざ子ども部屋に入って根掘り葉掘り聞こうとすると、それをうっとうしく感じ、攻撃的になる場合もあります。ですから帰ってきた時にさりげなく顔を合わせることが大事です。にこっとして「お帰り〜」と声をかけ、お互いに家族の気配が感じられる事が一番大事です。
個室のインテリアは。
幼い間は個室を用意しても、そこで勉強したり遊んだりしないのがほとんどなので、道具の収納や、寝室と考えたほうが良さそうです。
勉強机や本棚やベッドの位置は、それぞれの事情があるので一概には言えませんが、基本的には、窓があるなら決してそれをふさがない、また、子どもと相談して自分でお片づけしやすい位置を考えましょう。
カーテンやカーペットは、好き嫌いを重視するのはいいのですが、濃い色や大きな柄をあまりたくさん使うとイライラする空間になりますので、気をつけて選びましょう。色や柄の選び方のポイントは、薄い色や小さな柄はおとなしい方向に、濃い色や大きな柄は活発な方向に向かいますので、子どもの性格に合わせて選んであげましょう。他に色の効果についてはそれぞれありますが、ここでは割愛します。
遮光カーテンは「子ども部屋」にはおすすめできません。体内時計のことを考えると、朝は朝日の中で目覚める事が理想です。遮光カーテンは眠りを誘うものではなく、窓の外が外灯などで明るすぎる場合や、夜勤の人、ホームシアターを楽しむためのものと思ってください。
また、キレる原因の一つに睡眠不足があげられますが、夜遅くまで起きていることが習慣になってしまっている場合は、照明のことも考えてみましょう。
寝る間際までTVをガンガンと大きな音で、明るい画面を見ていると眠りのホルモンが出てきません。寝る30分前くらいには消して、照明を蛍光灯ではなく、白熱球など黄色っぽい色の照明にしてみましょう。小さなスタンドを低い位置に置いてもいいでしょう。夕焼けのあの色にするのです。人間は基本的に西に沈む夕焼けの色で、心が和み癒されます。TVでもゆったりした場面の場合はそういう照明になってますよね。
「おやすみ」のコミュニケーション
お風呂からあがって、母親が一緒にベッドに座るなりして、絵本を読んであげながら眠りに付くのが理想でしょう。温かみのある光の中で、母の声の響きや温かさやお風呂上りの匂いで安心して眠れるのです。忙しい日々の中で、少しだけ頑張って寝る前の「儀式」として習慣にしてしまうと心豊かな子どもに育つでしょう。